ヘルプマークって知ってますか?
赤地の縦長の長方形に、上側に赤十字、その下にハートが、白抜きで描かれています。
見た目では分からないが、実は、どこか具合が悪いとか、援助が必要だとか言った方が、
それを周知させる事を目的として考案されました。
ヘルプマークが描いてある札を鞄などに付けたりして、皆に察して貰うと言う仕組みです。
バスに乗った時の事です。
入り口の辺りにも立っている人が居る位、混んでいました。
少し中迄入ると、優先席に若い女が2人座っていました。
ヨボヨボの老人が、何人か立っているにも拘らずです。
一人は、寝ているのか?寝たふりなのか?
少なくとも、本気では寝ていない様子でした。
もう一人は、スマホを仕切りにいじっていました。
そこで、「このボケ! この哀れな老人等に席を譲らんかい、ワレぇ!」と言おうを思ったところ…
ヘルプマークが。
ごくごく当たり前にスマホを一心不乱にいじくっていても、何か身体的な事情がある様で、
危うく恫喝するとこやったわ・・・ぎりぎりセーフやん、まじビビったわぁ・・・
寝てる方の人は、具合が悪くて寝ているのかもしれないし、
ヘルプマークも見当たらないが、どこかに隠し持っているかもしれんしなと思って、
声かけとかんどこっ、と言う事にしておきました。
外見だけでは分からない、何かの身体的事情がある人達が、
事ある度に、周囲の人間にそれを訴えるのは、大変な事でしょうから、
このマークの意義は大きいと思います。
一方、見方を変えると、性善説がまかり通る世の中なら、こんなもんいらんとも言えます。
体も何も悪くないピンピンした若者が、立っていたら死んでしまうかもしれない様な老人を目の前にして、
堂々と椅子に座っているはずなど、絶対にありえないのが当たり前であるならば、
それにも拘らず座っているからには、それ相当の事情を抱えていると言う事になります。
だから、その人に向かって、「若いくせに、何を平気な顔して座っとんじゃ」
などと、誰も思うはずがないのです。
また、介助や援助が必要な時に、気軽に周りの人に声をかける事が出来て、
周りの人も手伝う事が当たり前の世の中なら、どうでしょうか?
閑話休題。
結局、老人に誰も席を譲る気なし。
優先席かどうかに拘らず、人に席を譲っても良い事を知らないのでしょう。
途中、見るに見かねた優先席に座っていたヨボヨボの老人が、立っていた更にヨボヨボな老人に、
「あなた、お座りなさい」。
それでも、誰も譲らず。
もうその頃には、私から恫喝する気力が失せていました。